昨年の感染者は2千人以下で、1979年の50万人という数字と比べると、世界的に99.9パーセント減少しています。今、私たちは世界史上最も悲惨な病気の一つに数えられるポリオを撲滅しようとしているのです。さらに、クラブとその会員は、毎年、ロータリー財団へ行う寄付の推定10倍の資金を地元地域のプロジェクトに費やしていることも、忘れてはなりません。社会奉仕プロジェクトの年間支出は、何十億ドルという金額になるはずです。
こうした驚異的な数字を思えば、今現在、ロータリアンであることの素晴らしさを誰もが実感することでしょう。実際、世界を本当によりよい場所にするために時間と才能を捧げるのに、ロータリーほどふさわしい組織がほかにあるでしょうか。ともにロータリーに対する誇りを確かめ合う一方で、皆さんの責務が大きく変わることにも目を向けてください。皆さんは、間もなくロータリーの新ガバナーとなられます。わずか5カ月後には、最も優れた組織としてのロータリーの地位を保ち続けるだけでなく、さらなる高みへと引き上げていく責務を、私たちは共有することになります。成功は、皆さん一人ひとりがどれだけの時間と才能を捧げ、地区内のクラブのために、友として、相談相手として、また応援団長として力になる覚悟があるかに、大きくかかってきます。船団は最もスピードの遅い船に合わせて進みますが、ロータリーにも同じことが当てはまります。ですから、ここにいらっしゃる地区ガバナー・エレクト全員が全力で進んでいく必要があるのです。百年前の1910年8月に初のロータリー・クラブ大会を開催した国際ロータリーが奉仕の新世紀に乗り出す中、遅れを取り、ロータリーという船団の速度を落とさせるようなことがないようにしなければなりません。
リーダーの素質を備えた皆さんに、リーダーとなる意志があるならば、必ずやロータリーにさらなる栄華がもたらされることでしょう。時間と労力という代償を払う覚悟が私たちにあるなら、きっとできます。120万というロータリーの会員数は、世界人口が60億人であることを考えれば、小さな数字かもしれません。しかし、著名な文化人類学者、マーガレット・ミードの貴重な助言を思い起こしてください。「思慮と熱意のある少人数の人々に世界を変えることなどできないとみくびってはいけない。実際には、それが世界を変える唯一の方法なのだから」
そうです、私たちは世界を良い方向へと変えてきたのです。そして、今後も変え続けていくのです。現在のような不況下にあっても、さらに良い変化をもたらすことができるでしょうか。「イエス・ウィー・キャン」、私たちにはできます。そうです、私たちはともにやり遂げます。やり方はシンプルです。来る年度を成功へと導くために必要なのは、ロータリアンが熱意を抱き、世界一得意としていること、すなわち「地域を育み、大陸をつなぐ」ことに専念するよう、力の限り、クラブと地区を励ましていくこと、それだけなのです。